No.6(オリエントの統一) :
「アッシリアとアケメネス朝の両帝国の違いとは何か?」
異民族支配の在り方が対照的である。B.C.7世紀前半にオリエントを初統一した
アッシリアだったが、あまりに厳しい異民族支配のためわずか50年余りで滅亡し
4分裂した。その後、その中のメディア王国から出たアケメネス朝がオリエント再
統一を成し遂げ、長期安定的な大国となった。このことの背景には、それぞれの
民族の法や風習・宗教を尊重した穏和な異民族支配があった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
オリエント統一の二大帝国アッシリアとアケメネス朝を、強硬な先駆的「信長タイ
プ」と柔軟な継承的「家康タイプ」の典型として把握することに関心を持っている。
思考・判断:
アッシリアの失敗に学んだアケメネス朝の優れた国内政治について、特に異民
族統治の違いを客観的に比較・分析しながら考察している。
資料活用の技能・表現:
力と恐怖によるアッシリアの過酷な異民族支配を示す、写真等の資料を適切に
活用している。
知識・理解:
統一という新時代を切り開く上で「乱暴」であったアッシリアと、それを批判的に
継承しつつ長期安定化させた「狡猾」なアケメネス朝について、歴史的な事実の
中に類型や法則といったものを追究する姿勢を持ちながら、基本的な知識を身
につけている。